なおき

ベター・コール・ソウル シーズン4のなおきのレビュー・感想・評価

4.0
本家『ブレイキング・バッド』が当初はコミカルだったものの、どんどんと道を踏み外していく毎にシリアスな犯罪劇として加速したように、こっちのほうも今回は大きく道を踏み外して加速していく。


ソウルパートでは、前シーズンで兄チャックとの因縁が片付いたと思わせて、その面影が今シーズンいっぱいに残っていて、ソウルを悩ませる。
その姿はまだ善人味を帯びていたけれど、やがて、ソウル・グッドマンという悪人の姿で自らも周りも煙に巻いて偽り、悪人への一歩を踏み出していく。


そして、ソウルと並行して、マイクもガスの命により、哀しくも道を踏み外す。
工事を担当していた現場監督からの妻への電話は、本家の『オジマンディアス』を想起させるものがあり、今後、本家のファイナルシーズンのような悲劇をも連想させてしまう。


そんなわけで、今回、最終回が神回だったわけだけど、全体的にシリアス化していて、コミカルさ、あまりなし。
ソウルと仲間たちの偽装工作とか、そのくらい。
前シーズンでは、八面六臂の大活躍だったナチョも今回は控えめで、ちと寂しい。
それとは、打って変わって、新キャラ(名前自体は、本家にも出ていたけど)として、登場するメキシカンギャングのラロが印象的で、陽気ながらも人殺しも拷問もいとわない切れる奴。
双子の殺し屋と並ぶくらい、やべー奴だが、陽気なこともあって、『ナルコス』感いっぱい。
たぶん、『ナルコス』にいても、違和感ないと思う。


ところで、本家の『オジマンディアス』の監督であるライアン・ジョンソンが『スターウォーズ最後のジェダイ』で道を踏み外してしまうとは誰が予測できただろうか。
なおき

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