イリーガル

警部補 古畑任三郎 1stのイリーガルのレビュー・感想・評価

警部補 古畑任三郎 1st(1994年製作のドラマ)
4.0
114


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【メインゲスト 演出 視聴率 時系列】
●第1回 死者からの伝言
1994年4月13日 中森明菜 星護 14.4% 第4回の後(1994年3月23日)
人気コミック作家・小石川ちなみ(中森明菜)は自分を弄んだ編集者・畑野茂(池田成志)を長野県にある別荘の地下倉庫に閉じ込め窒息死させる。そこへ偶然、雨の中で車がガス欠になって立ち往生した古畑と今泉が訪れる。畑野の死体は、なぜか頭部に殴られたあとがあり、紙とペンを持っていた。しかし、ペンは書ける状態であったにも関わらず、紙には何も書かれていなかった。
後に無罪判決。古畑と友人になる。
●第2回 動く死体
1994年4月20日 堺正章 河野圭太 13.8% 最初の事件[1](1994年2月)
車で老婆をひき殺してしまった歌舞伎役者・中村右近(堺正章)は、自首を勧める警備員・野崎(きたろう)を口論の末突き飛ばしてしまい、誤って死なせる。その日の演目終了後、右近は自分の楽屋に置いておいた野崎の死体を、すっぽんという昇降装置を使って歌舞伎座の舞台に運び、天井のすのこから転落したように見せかける偽装工作をした。右近は一度その場を去るが、その後なぜか楽屋に戻って茶漬けを食べるという謎の行動をしてから帰ろうとする。
犯人と相対する対決路線。
●第3回 笑える死体
1994年4月27日 古手川祐子 河野圭太 12.9% 第4回の前(1994年3月16日)
精神科医・笹山アリ(古手川祐子)は、かつての交際相手・田代慎吾(羽場裕一)が別の女性と婚約したことを知り、殺意を抱く。アリは人を驚かせることが好きな田代の性格を利用して言葉巧みに彼を誘導し、ストッキングを被ってベランダから室内に侵入するよう仕向け、金属バットで撲殺。アリは自ら通報すると、田代を強盗と勘違いして殺してしまったと正当防衛を装った。しかし、ストッキングをかぶった奇妙な死体を見た古畑は、アリの証言と現場の状況が矛盾だらけであることに気づく。
本作、最初の撮影。唯一、解決編直前にCMが入らない。
●第4回 殺しのファックス
1994年5月4日 笑福亭鶴瓶 星護 12.4% 第1回の前(1994年1月12日)
推理小説家・幡随院大(笑福亭鶴瓶)は秘書との不倫の末、妻・フサ子(高柳葉子)を絞殺する。第三者による殺人に仕立てるために、FAXを利用して妻の誘拐を偽装する。しかし、古畑は前代未聞のFAXによる脅迫や幡随院の不自然な行動に疑問を持つ。その頃、幡随院の別荘では予めFAXにセットされた脅迫文が送信されていた。
古畑と今泉の上司である、蟹丸義太夫警部が初登場。
●第5回 汚れた王将
1994年5月11日 坂東八十助
(坂東三津五郎) 河野圭太 16.3% 第8回の直前。
第1回より後。
将棋の町・山形県天童市で行われている将棋の「竜人戦」で、進退の懸かった米沢八段(坂東八十助)はどうしても負けたくない一心で、封じ手に不正を行い一日目の対局を終える。その晩、立会人の大石(小林昭二)が米沢の部屋を訪れ不正を指摘すると、米沢は大石を灰皿で撲殺し事故死に見せかける。現場検証に来た古畑は、大石のスーツが畳まれていたのに疑問を持つ。翌日、大石への追悼として対局は続行されるが、米沢はチャンスの場面でなぜか飛車成りをせず敗れてしまい、古畑はさらに米沢への疑いを深めるが、決定的な証拠を掴むことができない。
犯人の姓は判明しているが名は明かされない。小説版未収録。犯人役の坂東三津五郎は当時はまだ「坂東八十助」名義。
●第6回 ピアノ・レッスン
1994年5月18日 木の実ナナ 松田秀知 13.4% 1994年4月15日
世界的作曲家・塩原一郎(藤村俊二)が亡くなり、音楽葬が行われることになった。追悼曲は塩原音楽学院学長の川合健(中丸新将)が演奏する予定だったが、塩原の教え子で愛人でもあった井口薫(木の実ナナ)は、塩原が築いた学院を金儲け主義で汚した川合が許せず、スタンガンを使って殺害する。翌日、川合に代わって舞台に立った井口は、なぜか予定されていた「追悼のレクイエム」ではなく、「北京の冬」を演奏する。
古畑の魚肉ソーセージ好きが判明。
●第7回 殺人リハーサル
1994年5月25日 小林稔侍 星護 13.0%
ベテランの時代劇スターである大宮十四郎(小林稔侍)は、撮影所を閉鎖してスーパーマーケットを建設しようとする社長・城田春彦(長谷川初範)の殺害を計画。そして撮影所内での殺陣のリハーサルの際、最後の撮影だからと城田を誘い、真剣と模擬刀の取り違えに見せかけて城田を斬殺する。古畑は、これが計画的な殺人であると踏んで捜査を進めるが、小道具係の山本が、自分が真剣と模擬刀を取り替えたと自白する。
小説版未収録。第4回に続いて蟹丸警部が登場し、メイクを施して記者会見に臨むという目立ちたがり屋の一面を見せる。
●第8回 殺人特急
1994年6月1日 鹿賀丈史 松田秀知 16.6% 『振り返れば奴がいる』より後
第5回の直後
天真楼病院・外科部長の中川淳一(鹿賀丈史)は、自分の浮気を調べていた興信所の所長・宍戸隆(河原さぶ)を懐柔しようとするが失敗。宍戸のコーヒーに睡眠薬を仕込んで眠らせたのち、新幹線の座席で多量のカリウムを注射し毒殺。証拠写真の入ったフィルムを奪い取ろうとしたが、それを後部座席のやくざ風の男に見られてしまい、宍戸のコートごと持ち去った。たまたま同じ特急に古畑が乗り合わせており、捜査を始めるために医者を探そうとした際に中川が名乗り出なかった所から不審感を抱き始める事になる。
『振り返れば奴がいる』と世界観を共有している(ただし、「振り返れば奴がいる」の中川の直属の部下の平賀友一を今泉と同じ西村雅彦が演じていたが、中川が今泉と対面しても何も言及はなく話は進んでいく)。全編通して、古畑や中川の乗車している特急列車内で場面転換が進む密室劇。古畑の酢豚好きが判明。
●第9回 殺人公開放送
1994年6月8日 石黒賢 星護 14.8%
自称・超能力者の黒田清(石黒賢)は、チンピラ風の男・中島(岡部務)に超能力の種を仕掛けているところを目撃され、もみ合ったはずみで殴り殺してしまう。自身の超能力を検証する番組に出演した黒田は、科学者・神宮教授によりイカサマをことごとく見破られてしまいピンチに陥るが、突如奇妙な身震いを始めると、自分が殺した男のことを告げ、超能力で死体を発見したかのようにするという大博打を打つ。
小説版は古畑との対決がなく、黒田の番組をテレビで見ていた古畑が、テレビ局に匿名で電話し黒田の犯罪を指摘するという形となっている。その為かドラマでも古畑との絡みが少なく、古畑との初対面は解決編以降だった。
●第10回 矛盾だらけの死体
1994年6月15日 小堺一機 河野圭太 15.2% 第11回の直後(1994年4月18日)
参議院議員・鵜野忠邦(森山周一郎)の秘書・佐古水茂雄(小堺一機)は、鵜野の愛人・沢田マリ(泉本のり子)を揉み合いの末、突き飛ばしてしまう。鵜野に始末を命じられ、意識の無いマリに睡眠薬を飲ませ殺害し自殺に見せかけるが、スキャンダルを恐れた鵜野にしばらく姿をくらますように命令される。ゆくゆくは鵜野の後継者になるのを望んでいた佐古水は、逆上して鵜野を殴打してしまい、別れ話のもつれでマリが鵜野を殴った後に自殺したように工作する。しかし、鵜野は一命を取り留めていた。
コメディアン・小堺一機が犯人役ということもあり、コメディ要素を含んだ回。犯人「佐古水茂雄」と被害者「鵜野忠邦」は小説版とは名前が異なる。
●第11回 さよなら、DJ
1994年6月22日 桃井かおり 松田秀知 15.1% 『ラヂオの時間』より後
第10回の直前(1994年4月17日)
ラジオ番組の人気DJ・中浦たか子(桃井かおり)は、出演しているラジオ番組の生放送中に、「サン・トワ・マミー」が流れているわずかな時間を利用してスタジオを抜け出し、自分の恋人を奪った付き人の沢村エリ子(八木小織)を隠し持っていたスパナで殺害する。何食わぬ顔でスタジオに戻ったたか子は普段通りに生放送を続けるが、レコードに針を落とそうとする中浦の手は震えており、古畑はその不自然さから中浦を疑い始める。
「赤い洗面器の男」の話が初めて登場する。『ラヂオの時間』と世界観を共有。
●第12回 最後のあいさつ
1994年6月29日 菅原文太 松田秀知 12.3%
警視庁のベテラン刑事である小暮音次郎警視(菅原文太)は、孫娘を殺されたが裁判で無罪になったチンピラの生原治(鈴木隆仁)を報復で射殺する。この時小暮は大麻取引の張り込み中で、それを逆手に取ってアリバイを確保していた。殺人事件の担当になった古畑はそのアリバイに疑問を持つが、小暮に隠れて張り込んでいた後輩刑事によって、犯行時に小暮がホテルで張り込んでいたのが立証された。
小暮は警視だが小説版では警部、また名字が小説版では「木暮」。桑原万太郎が初登場。解決編前の古畑のトークで唯一顔出しで他者が絡む、セリフは「誰に向かってしゃべってんだ?」と「納得いかねえな〜」の二言。第8回・車掌役の梶原善がホテルクラークとして2回目のゲスト出演をしている。なお本放送では社会党の村山政権樹立の速報が入って15分ほど放送が中断された。
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