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シャープ・オブジェクト KIZU-傷-:連続少女猟奇殺人事件のtiのレビュー・感想・評価

4.6
やっぱりひりひりする、この人の作品。
火傷した皮膚に更に火を近づけられているような。最初から最後まで、細部まで。

主人公が酒を飲み続けている。運転していても手には透明の液体が入ったボトルが握られて。映像にはずっとアルコールのフィルターがかかってる。雨が降り続く『セブン』のように。
ジャン=マルク・ヴァレ作品の音と音楽にはいつも感嘆するのだけど、ここまで拘られると、まるで呪い。
観終わっても暫く、アルコールのフィルターと呪いのような音の残像につき纏われる。養豚と狂気と廃退の町に放り込まれたまま戻れない感覚。

ジャン=マルク・ヴァレ作品が好きだから、映画よりも長い時間、濃厚にその世界に浸かれて本望。かなりdepressedんなるけどね。
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