おさも

マスター・オブ・ゼロ シーズン3のおさものレビュー・感想・評価

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しみじみと観た。シーズン3は難しいかと思っていたのでうれしい。Devはちょっとしか出てこないし、Arnoldは全く出てこないので寂しかったが、Deniseと妻のAliciaの物語はMaster of Noneのやさしさにあふれていた。

1話に出てくる“That’s how deeply committed I am to you”「それだけあなたにコミットしているってこと」というセリフは心に残った。冗談半分の文脈で出てきた発言ではあるのだが、愛することが要請するコミットメントって何なんだ、という問いは結構グサっとくる。

関係がうまくいかないことで悩むこと、気づいたら相手のことで悩んでいるのに(いるから?)相手を思いやったりやさしくする言葉がかけられなくなってしまうこと。
今という時間の一瞬を意味し、ものを動かす原因となる力の流れを意味するMomentという言葉は、関係の一回性、うまく行ったり衝突したり破れたりがコントロール不能である人と人の関係のあり様を絶妙に表現していると思う。この物語でおきるいたわりと傷つけは、観る人それぞれの痛いところを絶妙に刺激する。切ない。

フィルムで撮ったのをデジタル化していると思われる。フィルムの発色がまた雰囲気にあっている。今風のクリニックの内装がフィルムの色で映されているのはかなり違和感があって面白い。
人の間で起きる物語に挟まる、自然を捉えるショットの中には、ちょっと日本人的な感性を感じるようなものがあったと思う。木の枝や雲に月を透かせるような絵など。自然のショットは美しく、観る喜びを与えてくれる。


脈略はないのだが、
愛することは、何をあなたにofferできるかなのかな。
そして、あなたの存在が私にとってどんなに意味のあるものか、を伝えることなのかな。
単純にしなきゃいけないのだ。
そんなことを、思った。
おさも

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