Hino

獣になれない私たちのHinoのレビュー・感想・評価

獣になれない私たち(2018年製作のドラマ)
4.5
2話
野木さんセリフが走っているなぁという感じ。セリフ一つ一つが重い意味を持ちすぎてて気が抜けず、むしろ気後れする。言いたいこと言い放題な友人の話を聞いてるみたいな気持ちになる。もう少しゆっくり感情に浸りたい…。軽い掛け合いやキャラの可愛さをもう少し前面に出して欲しいなぁと思う。
晶が野木さんで、野木さんが憧れながらも理解不能だと諦めた女性像が呉羽なんだろう。それが伝わりすぎて見ていてしんどい。

1話
非常にヘビーで、自分と重なるところがたくさんあり苦しい涙を流した。1話目からこのテイストだと、萎えてしまう人も多かったかもしれないが、むしろ1話目でこの暗さを持ってこれるほど後半の展開に自信があるんだろうと思う。

野木さんのドラマでは、スカッとする涙が出ないことが多い。アンナチュラルでも、どうしようもなく悲しく苦しくて涙が出た。目に溜まってなかなか流れ落ちない涙だ。

キャリア女性を描くドラマでは恋愛要素を徹底的に抜いたものが多い。野木さん自身「ドラマにも、恋も仕事もする普通の女性がもっといてもいい」とインタビューで述べていたように、恋愛モノか仕事モノかは明確に分かれている。それに乗っ取らなかったからこそ、現代人に受けているのだと思う。「そうそう、これこれ」が感じられやすいのだ。しかしキャラが良いから(顔面含め性格も)現実味がなくドラマとして楽しめる。ストーリーの重さを翻せるほど魅力的なキャラの性格は、野木さんの他にはない能力だ。

“キャリア女性の生き方”。「東京ラブストーリー」のリカの生き方から始まった平成の、最後の年にぴったり過ぎるテーマだ。
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