このレビューはネタバレを含みます
韓流好き、というよりチャ・ウヌにどハマりした母と鑑賞。
私が最も好きなシーンは、文化祭の夜、化学科の出店の宣伝に駆り出されたギョンソクとスアの場面です。
詳しく書くと、文化祭の屋台にミレの初恋である元同級生をわざと仕向けて「怪物」とミレが呼ばれていたことを周囲に広めたスアが素知らぬ振りをして「誰があんなあだ名を?」「いくらひどい顔でも…」とミレを庇っているようで見下す発言をします。それに対して、ギョンソクは「ミレはかわいかった」と整形前のミレを全肯定する、そんな場面です。
なんでそのシーンなの?(実際母から聞かれました)と不思議がられるかもしれませんが、私は思わず涙が溢れるほど感激したし、もしミレがこの会話を聞いていたら同じように泣いていたと思います。
実は、私自身が中学の時に顔や身体をネタに(悪意はないんでしょうが)幾度となくからかわれて以来、自己肯定感が自他ともに認めるほど非常に低くなってしまった節があるので、ミレちゃんの「私なんか」「他者に注目されたくない」という気持ちが痛いほどわかってしまうんです。
過去に何度も顔の醜さを指摘され、その度に傷ついてきたミレは整形前の自分を他の誰よりも忌み嫌っています。そんなミレ自身ですら否定する「整形前のミレ」をかわいいと言うギョンソク。ギョンソクにとっては、ミレがかわいいことは当たり前であり、醜いとは本当に微塵も思っていないのでしょう。それでもこの「かわいかった」という言葉はミレにとっては何よりの救いであると同時に、ギョンソクからミレへの一途でブレない愛を強く感じ取れました。