大学いもの皮

ライン・オブ・デューティ シーズン6の大学いもの皮のレビュー・感想・評価

4.0
ようやくイギリスでとんでもない視聴率を出した最終回まで鑑賞した。
正直な話、最終回までは相変わらず面白かったし、緊迫感もあっていつものラインオブデューティが楽しめた。主人公サイドの確執やプライベートの問題にはあまり時間割かないでほしいなぁとは思いつつ、最後は皆スマートに同じ方向を向いて仕事をこなしていつものチームに戻ったのは安心した。この3人組が力を合わせれば、どんな事件も解決まで持っていけるっていう安心感が出るのはこのシリーズの視聴者として嬉しいところ。
問題は最終回。このシリーズの最後の黒幕が明らかになる回だが、おいおいどうしたっていうくらい失速してしまった。名物の尋問シーンもいつもの緊張感がないし、唐突に明らかになる黒幕のコレジャナイ感が…。これまでのシリーズの総決算として、そこまでの演出の流れなら警察のトップが黒幕になりそうだったのに、肩透かしを喰らった感じ。壮大であまりにも闇が深いこの6シーズンに渡る超巨大犯罪組織と汚職警官の事件の幕切れがこんな小物でいいの?コイツがスケープゴートとしてさらなる黒幕が控えてるとしないと納得がいかないなぁ。それとも、誰か特定の個人ではなく、こういう人間を組織として許容し、隠蔽しようとする警察組織全体の腐敗をメッセージとして出しているのか。いずれにせよ、6シーズンの総決算としてカタルシスが感じられず、モヤモヤが残ってしまったので、なんとか次のシーズン作ってしっかりと完結してほしいと思った。この息切れ感は「オザークへようこそ」のファイナルシーズンにも近いものを感じたな。
でも、今までのシーズンの事件が相互に関連し、総決算として緻密に張り巡らされた伏線を回収していく脚本は流石だし、謎が謎を呼び、互いに騙し合う駆け引きが続く最終回までのエピソードは本当に素晴らしいので、観るべき作品には間違いない。
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