Tamayama

二つの祖国のTamayamaのレビュー・感想・評価

二つの祖国(2019年製作のドラマ)
4.0
前篇 20190329鑑賞
後篇 20190331鑑賞

原作が山崎豊子さんってことで期待して観た。ストーリー自体は大満足。アメリカで生まれ、ほとんど日本へなど行ったこともない2世たちが、祖国をアメリカだと思うのは当然だと思う。なのに太平洋戦争が始まり、急に敵国民扱いをされ収容所生活を余儀なくされたり、謂れのない迫害を受けたりなど、戦争って本当に百害あって一利なしなものだなと改めて感じた。

ただ、編集やカメラワークなど、ストーリー以外のところでいくつか違和感を覚えてしまい、物語にいまいちのめり込めなかった。もう冒頭から、「あれ、これTVerだから短く編集されちゃってるのかな?」と思うほど、唐突に始まって、そして唐突な場面転換、ナレーションでの状況説明。ダイジェスト版なのかと思いました。

また、カメラワークも不自然なところがいくつかあった。たとえば、子供が熱を出して医師とナースがペニシリンを出す出さないで揉めるシーンで、医師が「今すぐペニシリンを持ってこい!」みたいなことをナースに言った直後、カメラがギュインと高速で小栗旬に寄る。小栗旬の「ドクター、出してくれるんですか!?」という驚きや医師への感謝の表現を強調したんだと思うけど、そこはカメラワークで表すんじゃなくて、もう小栗旬の演技で十分表現できてたからちょっと余計だなと感じた。

あと、出演者たちは英語頑張っていたけれど、2世役の人たちの発音がネイティブのそれではないので、どうしても気になってしまった(とくにムロツヨシ)。そんな中、やはり真剣佑の発音は素晴らしかった。せめて、高良健吾と真剣佑の配役を逆にして、真剣佑をもっと生かしておくべきだったのでは。

難しいんだと思うけど、彼のようにアメリカ育ちの俳優や、留学経験があって英語が堪能な俳優をもっと起用して、物語に説得力を持たせてほしかったな。
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