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After Life/アフター・ライフ シーズン3のBOONEのレビュー・感想・評価

4.2
今シーズンは、一番静かで、テンポもゆっくり。シーズン2 以降の数日間の小さなエピソードが中心で、毒っけたっぷりなジョークも控えめ。
エマとの仲も進まず、一体どうなるんだ?とヤキモキしながら視聴。
シーズン1,2で大きな役割だったサンディやロキシーが降板したのも戸惑った。どちらも好きなキャラだったから、ドラマの軸が失われた様に感じた。

コロナにより撮影開始時期が未定になったり…。制作にあたりリッキー・ジャービスは不安感があったと語っていた。
サンディやロキシーの降板もコロナに関係あるのかは分からないが、もしそうだったとしたら本当に迷惑極まりないウィルスだ(降板理由の記事を探したが見つからなかった)。ドラマ内でも迷惑なウィルスみたいなセリフがあったっけ。エピソード2では、コロナは怖いってセリフもあったし(ドラマや映画でコロナに触れているのは初めてだ)。
コロナ無き時間軸での最終シーズンを観てみたかった、と中盤までは思っていた。

苦手なキャラだったキャス。彼女の孤独を物凄くフォーカスしていたのは良かった。
トニーは、キャスに静かに寄り添い、慰める。
それからトニーとアンの墓場での会話は相変わらず心揺さぶられる。
「あなたには生きて欲しいのよ、自殺をせず、ただ死を待ってるだけじゃ無くて。明日を忘れる様な生き方をして。目覚めたら明日が来ている様な毎日がいい。」
そしてアンの天使の話も素敵だった。

最後のタンベリーフェアのシーンは、圧巻。
人生の縮図の様な、曼荼羅の様な映像に思えた。皆の笑顔を眺めるトニーは、人を幸せにしたいと願う天使の様だった。
最後に、オーケストラバージョンの”both sides now”がかかり、去っていくトニー。
リサが現れ、消え、ブランディも消えて、最後にトニーも消えて、ドラマは終わる。
暗喩的で、最も白眉なシーンだ。

トニーは人生は繰り返しだ、と言っていたが、さまざまな事で上がったり、下がったりを繰り返しながら、トニーはこれからも歩んでいくのだろう。

エマとは幸せになって欲しかったが、これもまた人生なのかもしれない。
このドラマ、トニーの再生の物語かと思ってたが、トニーとリサのラブストーリーだったのだと今更ながら気付いた。最後の方は、思い出して悲しむのでは無く、過去の出来事を慈しんでいる様に見えた。

久しぶりにジョニーミッチェルの”both sides now”のオリジナル版を聴いてみた。やっぱり良い曲だ。
相変わらず選曲が素晴らしい。晴れた日に良く聴くプレイリストに本作の選曲を沢山入れて聴いている。
犬もやっぱり最高に可愛い。ジャーマンシェパード飼いたい…。
ドラマが終わってしまったのが悲しいが、やっぱり愛すべき良いドラマだった。おススメです。
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