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トゥルー・ディテクティブ 猟奇犯罪捜査のgeminidoorsのレビュー・感想・評価

3.8
観終えて不満なのは何故だろう…?
シーズン1が水準高く、コチラの好みの枠にハマりまくりだったからか…
否、違うだろう。否、たしかに1との比較は否めないだろう。
然し、全回を観終えてから2日間、生活の合間になんとなく考えてみた処、幾つかの理由もみえてきた気がする。
ここでその総てを細かく書く時間は今無いので、とりあえず一つだけ或る程度記してみたい。

それはカメラだ。撮影のセンスといえばそれまでだが。フレームの切り取り方や現地撮影に於けるあらゆる動き方、照明や或いは撮影の時間帯を含め一つのシーンに於いての空気感の撮り方(掴み方)とでも言ったらよいのか…
どんな話であれ、脚本が優れてようが、考証が優れていようが、演出が優れていようが、後に編集時にどうにもならないものも沢山あるだろう。
どんなにCG技術があがろうが、どんなに音響技術が上がろうが音楽監修のセンスが良かろうが、たとえば他の何か大切な一つのレベルが低ければ…
"他では補えない"のは他の業種どんな世界に於いても同じこととも云えるだろう。

勿体ないと感じた。
時間軸のシャッフルにこだわりすぎて自ら首を絞めた感もあるが、ワタシはどんな映画であれ撮影(カメラと美術)が疎か(お座なり的)だと興醒めしてしまう性質なのかも知れない。

云うなれば〜D.リンチ作品の全貌を理解出来ない自覚があろうとも、非現実的であろうとも、魅入ってしまうのは何故だろうと自らに問えば、上記のこだわりが(多少陳腐な部分があったとしても)見事ならば、ワタシは観る内に段々と、ズルズルと、引きずり込まれてしまうのだった。

対して本作は最後まで引きずり込まれることなく終わってしまった。
映画やドラマには是非、"観る側を引きずり込む"という完全犯罪を犯して欲しいのだ。
置いてきぼりは誰でも寂しく、虚しい。
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