2001年外務省機密費流用事件を描いた清武 英利の「石のつぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」のドラマ化
キャリア官僚たちの伏魔殿に投げた小さな小さな石のつぶては、捜査二課の刑事たちの覚悟と執念の投石だ。
サンズイにおける被害者とは、他でもない我々国民である。
それを心に刻み込んでいるからこそ、彼らは泥水を啜ってでもがむしゃらに真相に切り込んでゆく。
しかしながら、皮肉な事にこの国の正義は権力によって歪められ、真実は臭い物として蓋をされる。
保身と馴れ合いにより互いに足を引っ張り合う事で平穏が保たれる。
果たして、そんな国に未来はあるのだろうかー。
警視庁は霞ヶ関にして霞ヶ関にあらず。
そう揶揄され除け者にされてきた組織の反撃の一手は見事に功を奏したように思えたが…
トカゲの尻尾を捕まされた結果、霞ヶ関の一部になったという事はどういうことだったのか。
サンズイが年々減少しているこの現状は喜びべきか憂うべきか。
この作品の後味の悪さが答えを物語っている。