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スペシャル 理想の人生 シーズン2のBOONEのレビュー・感想・評価

3.8
待ちに待ったシーズン2。とても好きなドラマだから、心待ちにしていた。
軽度の脳性麻痺のあるゲイのお話だが、重苦しくなく、ニュートラルな感覚になる、ホッとするような暖かいドラマだ。
原作者のライアンオコンネルが主演で、彼の実体験に基づいているそうで、シーズン1は素晴らしかった。
今回がファイナルシーズンとの事で残念。

ライアンの友人のキムはとてもチャーミングだし、上司の意地悪なオリビアも笑わせてくれる。出てくるキャラが魅力的なドラマはそれだけで楽しい。
※お母さん役の女優さん、絶対見覚えのある方だとずっと思っていたが、フレンズでロスの妻キャロルの奥さん役やってた人だった!

ライアンの清潔で折目正しい日常風景が描かれる。
男性同士のセックスシーンもあるが、どぎつくなく、日常会話の様だ。
ゲイカップルのあるあるエピソードも興味深い。

このドラマのファンだから、あまり悪くは言いたくないが…。観終わって、違和感が残った。
今シーズンで気になったのは、2点。①ゲイの役の人が必要以上にクイニーなのと、②障害者への理解を強要する場面が多かった事。
クイニーに振り切ったゲイは一部だと思うが、何故かティピカルなゲイ像を描いてしまっているのが気になってしまった。
プロムのシーンでは、皆のタナーへの態度は意地悪でスノッブだ。溶け込もうとするタナーが邪険にされ、可哀想になった。障害者は、配慮の足りない言動には物凄く狭量と言う印象を与えかねない。
もちろん差別的な姿勢は非難されるべきだが、無知ゆえのちょっとした失言などを許さない狭量さはどうかと思う。ポリコレ要素が増加し、説教されている様に感じてしまったのは残念。ここら辺はシーズン1では良い塩梅だったのに。

8話目でオリビアがライアンに対して、「障害者に差別的な社会に対して批判的だし、障害者としてどうあるべきか滔々と語っていて、怒っていて、暗い気分にさせる」と指摘し、記事をボツにしたが、私も同じ風に感じてしまった。

何よりタナーを雑に扱うライアンが、被害者の様に振る舞っており、贔屓目にみても、ひどく子供っぽいと感じた。ゲイであってもなくても、人間同士の繋がりは複雑で、ちょっとしたことで壊れてしまう。相手を思いやる心は必要だ。後半のすれ違いはなかなか深刻で悲しいエピソードだった。ただ恋愛では、些細な事が致命傷になるから、ある意味リアルなのかも。

妙に政治色が出てきたのも微妙。共和党を馬鹿にしたり、グレタを手放しで礼賛したり。正直滑ってたし、あまり笑えなかった。

シーズン1より満足度は下がってしまったのが残念。

と、なんだか酷評みたくなったが…愛すべきチャーミングなドラマだと思っている。とても良いドラマだ。
シーズン3以降も更新して欲しかった。もう少し登場人物の行く末を見守りたかった。
それから…個人的にサマンサがオリビアの何を見たのか、気になる!
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