諭志

ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶの諭志のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりの鑑賞だったため、柳楽優弥や滝藤賢一が出演していたことをすっかり忘れていて、驚きと嬉しさが同時に込み上げてきました。

まず最初に感じたのは、湯川先生が登場しなくても、ここまで面白く仕上がっているのがすごいということです。

このスペシャルドラマで特に印象に残ったのは、署長が連行されるシーンです。内海は、彼女から女性刑事としての生き方を教わり、深く信頼していました。

そんな彼女に、内海が「水のようにしたたかに生きるって、こういうことだったんですか」と問いかけます。それに対して、署長は「結果がほしかった。私はあなたほど強くなかった」と答えます。

署長のしたことは、決して許されるものではありません。それは分かっています。ただ、女性刑事として生きることの大変さは、想像するだけでも伝わってきます。警察官ではない私や、男性刑事には分からない苦しさや葛藤があったはずです。

それでも言い訳せずに、「あなたほど強くなかった」と静かに認めるその潔さと強さに、心を打たれました。

ラストで真相が明かされるくだりも見応えがありました。上念が何かを隠していることには気づいていましたが、その裏に隠されていた事実も含め、すべてが緻密で計算された計画だったことに驚かされました。

内海がトイレで悔し涙を流すシーンは、見ていて胸が締めつけられました。あの涙は、上念の暴力によるものではなく、計画に一切の隙がなく、自分が何もできなかったことへの悔しさから流れたものです。もう、あんな涙は見たくありません。
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    物語の構成やオチ、登場人物の感情の機微、そして役者の演技力に惹かれます。 レビュー済みの中では、特に好きな作品は『BORDER』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『霊媒探偵・城塚翡翠』『JIN…

    物語の構成やオチ、登場人物の感情の機微、そして役者の演技力に惹かれます。 レビュー済みの中では、特に好きな作品は『BORDER』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『霊媒探偵・城塚翡翠』『JIN -仁-』『容疑者Xの献身』『ミッション:インポッシブル』シリーズなどです。 レビューは自分の記録として残す一方で、他の方のレビューを読んで「なるほど、そういう見方もあるんだ」と気づくのも好きです。