このレビューはネタバレを含みます
久しぶりの鑑賞だったため、柳楽優弥や滝藤賢一が出演していたことをすっかり忘れていて、驚きと嬉しさが同時に込み上げてきました。
まず最初に感じたのは、湯川先生が登場しなくても、ここまで面白く仕上がっているのがすごいということです。
このスペシャルドラマで特に印象に残ったのは、署長が連行されるシーンです。内海は、彼女から女性刑事としての生き方を教わり、深く信頼していました。
そんな彼女に、内海が「水のようにしたたかに生きるって、こういうことだったんですか」と問いかけます。それに対して、署長は「結果がほしかった。私はあなたほど強くなかった」と答えます。
署長のしたことは、決して許されるものではありません。それは分かっています。ただ、女性刑事として生きることの大変さは、想像するだけでも伝わってきます。警察官ではない私や、男性刑事には分からない苦しさや葛藤があったはずです。
それでも言い訳せずに、「あなたほど強くなかった」と静かに認めるその潔さと強さに、心を打たれました。
ラストで真相が明かされるくだりも見応えがありました。上念が何かを隠していることには気づいていましたが、その裏に隠されていた事実も含め、すべてが緻密で計算された計画だったことに驚かされました。
内海がトイレで悔し涙を流すシーンは、見ていて胸が締めつけられました。あの涙は、上念の暴力によるものではなく、計画に一切の隙がなく、自分が何もできなかったことへの悔しさから流れたものです。もう、あんな涙は見たくありません。