EriKobata

チェルノブイリのEriKobataのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
4.2
素晴らしいと言ったら皮肉だけど、それ以外に言葉が見つからないような作品。恐ろしい事故、そして事件を臨場感を持って、自分事化できるような演出。

短く簡潔なのに、人々の悲痛な思いや、想像を絶するような絶望感、集団心理、一般人の理解の範疇を超えた技術をうまく描いてた。
アメリカの作品で基本英語化されているけれど、非難時の混沌とした空気はロシア語で表現したり、被曝した人々の特殊メイクがリアルすぎたり。とにかく最悪な事故を後世に伝える素晴らしい方法。

今の時代やっと自分の生活を象るものに目を向けるようになったけれど、私は自分が使っているエネルギーや水がどのように作られ・供給されているのか、全てを完全に理解することはできないと思うと恐ろしい。顕在化したリスクにだけはとやかく言えるけど。
リスクを顧みず効率化のみを考えてきた政府に非はもちろんあるのかもしれないけれど、それになんの疑問も抱かず(自分もその時代原発近くの住人になっていた可能性なんていくらでもある)恩恵を受けていた人たちがいたことも事実で。

なにより言えるのは、事故当時、事故後に命掛けで作業をした人たち、今後する人たち、そんな人たちの勇気・良心に感謝したいし、今後こんな悲しいことが人類に起こりませんように。