山崎豊子原作の『沈まぬ太陽』
どんなに理不尽な目に合おうとも、決して屈せず信念を貫き通す主人公・恩地元。
JALの飛行機墜落事故がモデルとなっているので、事故の悲惨さ、そして遺族だけでなく社員たちの苦労も丁寧に描かれており、"償う"ということについて考えさせられた。
そして恩地が最後に行天にかけた言葉。
あんな仕打ちを受けてもなお、行天を思いやれる恩地の懐の広さが、赴任先のアフリカの大地と重なり胸に迫るものがあった。
焼けるような悔しさ、苦しみ、絶望、そして人のあたたかさ、希望。
"沈まぬ太陽"
それは恩地の姿そのものなのかもしれない。