一柳きい

悪との距離の一柳きいのレビュー・感想・評価

悪との距離(2019年製作のドラマ)
4.5
台湾の俳優さんって、こんなに演技うまいんだー!
ていうのがまず最初の感想。
それぞれが、それぞれの立場で味のある演技をしていた。
ひきこまれるような。リアルとの境目がわからなくなるような。
またメイキングがおすすめ!
これから観る人にはメイキングまでみてほしいな。

無差別殺人を起こした男とその死刑執行、その家族、また被害者家族、マスコミ、ネット記事、精神科医、弁護士、…
難しいテーマで、いろんな立場の目線で描かれた作品。
いろんな立場の人が密集しているけど、それでも違和感なく見れたな。

「死刑になりたくて」、大量無差別殺人を起こした本人は、その望みどおりに死刑判決が下される。
一方で弁護士は原因を究明することで次の犯罪を抑止できるんだと加害者側の家族を説得、再審請求にこぎつく。
しかし国はこの事件の社会的影響の大きさから、異例のスピードで執行してしまう。

また遺伝的、ストレス、その他外的要因などで統合失調症になってしまった人物が立てこもり事件を起こし、報道される。

それぞれ事件が起きたことで、加害者の周りも被害者の周りも、親子、さらにその親世代、職場、友人、…関係性が変化していく。

死刑がどうこうと意見をもつことは難しい。
あまりにも、多くの人がかかわっている。
悪いことをしたやつが悪い。
さらに悪いことをするように育てた親が悪い。
一概にそう言えるのだろうか。
問題提起をしたドキュメンタリードラマ。

チャオアンの夫役の人、ひげなのに清潔感があってダンディー。かっこよい。
一柳きい

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