しらたまちゃん

カルテットのしらたまちゃんのレビュー・感想・評価

カルテット(2017年製作のドラマ)
3.9
『大豆田とわ子と三人の元夫』と比較すると、少し説教臭いというかメッセージが直接的すぎる感じもする。その分ストレートで良いとも言える。いずれも好き嫌いがわかれそうな感じ。私は両方とも結構好き。

これもまた、普遍的な「愛」を丁寧に描き出す作品。異性愛に偏らず、ホモソーシャルやシスターフッド、友情や親子愛それぞれに触れられており、盛りだくさん。安易に「夫婦/家族ってすばらしい!」に落ち着かせることが出来ないなんて、今の時代のドラマは難しい。

とにかく台詞が良かった。泣きながらご飯を食べたことがある人は強い、とか、同じシャンプーを使っていたら特別な関係、とか、登場人物達の関係が目に見えて少しずつ進んでいく様は見ていて心地良い。

数カ月前に行った免許合宿のことを思い出した。なんでもない4月末から5月末の福島県の温泉街には、人生を休憩しに来た人が沢山。学校や会社を辞めた人、休んだ人、そもそもどこかに通ったり何かに所属したりしない人。そんな人たちで寄り集まって、毎日同じ時間に同じご飯を食べて、同じお風呂に入って。年齢も立場も何もかも違う人同士だけど、確かにそこには連帯感があって、日常の生きづらさについて話し合って、別れる間を惜しみながら卒業した。

食べ物の扱いも秀逸。手が込んでいて且つ作り手の性格をよく反映してしまう餃子。レモンのかけ方一つで人との相性が測れてしまうからあげ。ちょっと綺麗じゃない関係の人と食べる袋ラーメン。大好きな人と食べ歩きするコロッケ。

『初恋の悪魔』の予習のために見始めた坂元裕二作品シリーズ。『初恋の悪魔』ではどんな「愛」が見れるか更に楽しみになって、みずみずしてしまう。