梨

愛の不時着の梨のネタバレレビュー・内容・結末

愛の不時着(2019年製作のドラマ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

バチバチにネタバレなので未視聴の方ほんとに気をつけてくださいね!!




軍事境界線を1歩越えるキスシーンと、
「1歩くらいなら、大丈夫だろ?」という台詞。
いや絶対だめでしょ!!!!ってツッコミたくなる気持ち100分の1。
真面目で、どんな不正も許さず、上司から説得されても、韓国の領土で不正行為を行った、同国民である北朝鮮人を決して許さないほど規律に忠実なリジョンヒョクが、ユンセリのこととなると不法侵入を通報せず家に匿い、不法侵入者を韓国に逃がす大罪も犯し、ついには思いが溢れて軍事境界線を越えてしまうという、リジョンヒョクのセリに対する愛の深さに胸が締め付けられること100分の99。

リジョンヒョクらしくない!軍事境界線を超える前に追いかけてほしかった!って言ってる人もいるけど、あのシーンはセリが国境を越えてから、それでも抑えきれないジョンヒョクの気持ちを表現するという非常に大事なシーンだから、境界線を越える必要があったと個人的には思う。

最終話の境界線シーンもよかったよね。

他にもたくさん好きなシーンはありますが北と南、この世界の中で間違いなくいちばんやってはいけない禁断の恋を描いたこのドラマの中でやっぱりこのシーンは自分の中でもすごく大切です。


あとはこのドラマ、「絶対ありえない設定」
とか、「ぶっ飛び設定」などと紹介されてるのをよく見るけど、私からしたらこれは全然リアル設定、、笑(実際に韓国から事故で北朝鮮の領土に入ってしまうことあったらしいね)
だって300年前の男や1000年以上生きた狐、死神や都市伝説の妖怪、車を片手で動かせる力の強い女、1ヶ月に1回顔も体も性別も全部変わってしまう女、、とも恋愛できる韓国だよ?(もちろんドラマの中でね笑)愛の不時着の脚本家パクジウン作家の過去作だけでも宇宙人や人魚と恋愛してるしね?
ただ問題は、この2人の恋愛が宇宙人や人魚よりも断然難しいってこと。リアルなのに。現実なのに。同じ人間なのに。同じ大陸なのに。ましてや陸続きの隣国なのに。そして、同じ民族なのに。2人は決して結ばれることが出来ないどころか、それぞれの国に戻れば連絡も取れないという絶望的状況。まあこれだけなら他のドラマでもよくある障害だけど、正直宇宙人だって人魚だって、脚本家の設定次第でどうとでもなる。事実、星から来たあなたは大大大好きだけど、若干無理やりな結ばれ方。
しかし本作では、リアルであるがゆえに、脚本家にさえなんの力もなく、2人が自分の国に戻るという選択肢をする限り結婚やどうやには決してたどりつけない。ジョンヒョクが脱北すればいい話なんだけど、ジョンヒョクには大切な親がいて、脱北者の家族がどう扱われるかもわかっていて、そんなことは絶対にできないから、、そしてセリが北朝鮮で暮らすのはあまりに危険だし、、これちゃんと2人結ばれる??大丈夫??って不安になりながら切なさに大号泣しながら見ました。ここも大ハマりした理由かも。
結局2人は年に1度2週間だけスイスで一緒に暮らすという結末を迎えるわけだけど、それが最善ではあるんだろうけど2人の最大の幸せではない気がする。辛い時に一緒にいることも、日々の些細な喜びを分かち合うこともなく、お互いが危篤になっても死んでも、それを知る術はない。私個人的な解釈としては無条件にハッピーエンドとは言えない。(この設定で考えられる最大のハッピーエンドではあるけどね…)
南北統一されて、2人がなんの障害もなく毎日一緒にいられる。きっとこのドラマの制作に携わった人たちはそんな未来を描いてエンディングを撮ったんだろうなと、日本人ながらなんだか苦しくなる最後でした。

追加:ハソクジン、キムスヒョン、チェジウなどカメオ出演が豪華すぎたのも私的好きポイント。チェジウは2度目の20歳でしかみたことがないけどやっぱりキレイだし、1%の奇跡は私が初めて見た韓国ドラマで思い入れ深いし、映画シークレットミッションは見てたのでまたドングが見れて嬉しかったな、まあトミンジュンもまた見たかったけど!次のカメオではぜひともトミンジュン役ででてほしい!!
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