このラストシーズンが一番面白かった。ドラマシリーズ的にはS4, S5辺りが脂が乗って良い感じだったと思うけど、このS6はシリーズを畳みに来て、ちゃんと畳んだのが素晴らしい。あのラストは心臓を鷲掴みにされたような気分。最低な奴等の最高の人間ドラマでした。
今シーズンは単に"ファミリー"だけではなく、マフィアという存在やアメリカ世界の斜陽やその気分みたいなものをこれまで以上にしっかり取り込んでいて、素晴らしい作品だったと思う。ソプラノズを中心にゆっくり沈んでいく船を見ているようだった。圧巻。
シリーズ通して、これ以上のマフィアモノはちょっと難しいだろうなと思うくらいには充実していたし、同時に家族モノでもあり、社会的な課題もいろいろ散りばめた多層的な作り。キャラ造形も際立っており、複雑で丁寧な人物描写と会話、少しずつ変わっていく内面の描写やキャラ間の関係性の変化等は最高でした。単に娯楽として楽しいだけでなく、視聴者の道徳観を揺さぶってくるような感覚は流石に歴史に残る名作。後のBrBaとかに通じる描き方だろうと思う。
