まゆ

アンナチュラルのまゆのレビュー・感想・評価

アンナチュラル(2018年製作のドラマ)
4.8
法医学は残された人のためにあると主人公は言っていて、残された人が生きていくためになぜ亡くなったのかを解き明かしていくドラマ。
医療ドラマを結構観るが法医学は初めて。
裏側や死因についてのセリフを観て新鮮だと感じ、勉強になった。

脚本の野木さんは面白さだけでなくドラマを通して現代の問題や伝えたいメッセージを描いていて観た後にためになるなと感じたり、物事の見方が少し変わり、あっという間に時間が過ぎる。
予想していた展開にならないところも良い意味で裏切ってくる。
主人公たちを写すだけでなく、タイトルの表示や空の風景をお洒落にセンスよく映していて面白い。

三澄ミコト演じる石原さとみが美しい…仕事に一生懸命。仕事というか命に対して真摯に向き合っている姿がかっこいい。
UDIラボのメンバーもみんな良い人ばかり。
中堂さんは口は悪いし何を考えているかわからないけれど結局助けてくれるいい人。
東海林はミコトにとって良い距離感の同僚。ユーモアがある会話がドラマの深刻な感じを和ませてる。六郎に冗談を言って、からかっているやり取りも面白い。
六郎は現代の将来に迷走している大学生や若い世代を映し出している。何がやりたいのかわからないと何もするわけではなく、とりあえず興味のあるものをやってみようと行動している姿がただの若者ではないなと感じた。
所長や刑事の毛利さんもUDIラボのメンバーに振り回されつつ、いざという時には頼りになる。
会話の中に事件解決の糸口や伏線が張り巡らせられていて、わかった時の達成感が清々しい。

どの話にも主題歌のLemonの歌詞や曲調が合う。
流すタイミングもばっちり。
残された人の心情や中堂さんが過去に苦しんでいる様子、どちらも表されていて胸が苦しくなる。

観た後に重い気持ちになるけど、為になって面白いから色んな人に観て欲しいドラマ。
まゆ

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