菜

ピュアの菜のレビュー・感想・評価

ピュア(2019年製作のドラマ)
3.6
これはかなり難しいなあ…
OCDという不安障害を持つマーニーが私たちの当たり前の何気ない生活の中で、彼女にしか見えない強迫観念に、いかに襲われているのかということが痛いほどに分かるドラマでした。
親友の「妄想くらい私だってするわよ」的な発言はかなり心がえぐられた。マーニーにとってそれは妄想ではなく強迫観念であり、彼女を苦しめているもの。目に見えない障害を他者に理解してもらうのって本当に難しくて、だから結果的に相手に理解してもらうことを諦めてしまって誰かに八つ当たりしてしまったり、自ら自分の価値を下げようとするマーニーを見てると本当に胸が痛みました。お節介に気を遣われ過ぎればそれはそれでストレスで、だからといって心配してくれなかったら構ってよ…ってなってしまう。これはOCDが持つ特徴というよりも、私を含めたすべての人間が持つ特徴なんじゃないかなあ、と思う…
マーニーは親友を許していたけど、たとえ酔っ払っていようと、逃げられた、と思ったとしても、友達のことを"病人"だなんて言う奴は絶対この先親友なわけないし、マーニーを救ってくれるとは思えない。私的にあの親友がしたことは全くもって許せないなあ、、そういうことも考えると、親友よりも出会ってからの期間は短いけれど親友以上にマーニーを思ってくれてる人と出会えたロンドンに彼女は来て絶対に良かった。人生のどん底と思える瞬間で、だれか1人でも自分を思ってくれる人がいれば、人は生きていけるのかもしれない。人と人との出会いは大切ですね。関わってきた年数や一緒に経験したことの多さが大切なのではなく、自分をどれほど思ってくれているのか、大切にしてくれているのか、そういうことを考えて結局、人付き合いはしていかないといけませんね。
ほんとに頭に血が上ったといえ、一瞬でもマーニーに酷い思いをさせたあの親友は申し訳ないがクソ喰らえ!
菜