いっぱしの、単発SF大作映画並みの精緻なCG映像美が素晴らしい。そこだけは「あの原作を今だからこそ映像化し得た」と素直に同意する。
しかし…!
主役格の数学者ガール君が白人男子から黒人女子に変えられてたり、原作の“大昭和なSFイメージ”は大幅に削がれて、女性比率と有色人比率が「これでもか」ってくらい強烈に高められたキャスト陣。4~50年前に原作に酔いしれた世代には生理的に「コレじゃない感」キツいかも。
ぶっちゃけ、初本格ドラマ化にして「いきなりリブート作品」と割り切らないと、まずダメかと。
まあ、得てしてホワイトウォッシングは弾圧されるが、逆はやりたい放題な御時世なんだよね。加えて、元祖ドラマや原作じゃ男性キャラだったものを女性に変えてリブートしたり映画化するのは、もはや米英作品の「流行り」ですらある。これも、女子キャラをオトコ化する例は聞かないなあ。
その津波のごとき潮流を今さら、しみじみと実感した作品だった。若い人はAmazonで『ファウンデーション』冒頭を試し読み(無料)するといい。