太良福

アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜の太良福のレビュー・感想・評価

4.5
LGBTタレントの方が自死されて悲しみと誹謗中傷への怒りの気持ちを抱えていた頃、ディズニーチャンネルにぽっとおすすめに出てきて好きな香取慎吾さんが出てたので視聴。最終回以外は凄く良かったです。

私は日本でハマったドラマは海猿や花男やラストフレンズが最後でほとんど観なくなってた。ただの仕事のつまらない話を垂れ流しのドラマが多かったから。なので珍しく完走した日本のドラマです。(「家族狩り」以来)
1話完結なのが見やすかったのかも。

このドラマはまさに社会問題である「指殺人」「誹謗中傷」をテーマに、毎話の演者さんの演技も凄く良く!とてもリアルに丁寧に作り込まれていました。

「あの実話を基にしたのかな…」
「こういう孤独な人、今本当に多いと思う」
という思った視聴者は多いはず。

加害者も何かの被害者だったり、些細なきっかけで築いてきたものが壊れたり、あっちこっち誹謗中傷の風向きが変わる世論など、現実社会と重なり思うところが多かったなぁ。

普段映画を見ても滅多に泣かないのですが、現実にいる人達と重なってしまい、気づけば涙が流れていたところもありました。

ユーチューバーの回ですが、私も全く同じ経験をしたことがありました。毎回コメント欄で面白い事を言って人気の人がいたのですが、主の機嫌を損ねたんでしょうね…ライブ中にその方がスパチャしてもスルー、他の方が〇〇さんスパチャしてますよと何度も教えてるのにスルー、明らかにわざと無視していて凄く嫌な気分になりました。

だから脚本を書いた方、凄く分かってるなと感じましたね。サワティちゃんねるの人もこういう人居そう!って感じで笑ってしまいました。

指差し対策課の中ではMEGUMIさんの演技がとても上手で空気を和ます感じがあり、良かったですね。暗い事件を扱っていても、入れ込みすぎずフワッと明るい感じの職場の雰囲気は良かったです。対策室のメンバーがみんな良かったので個人的には2も見てみたいです。
誹謗中傷してしまった人達の回も作ってほしい。

この作品で唯一残念だったのが、韓国人女優のシム・ウンギョンさんがカタコトで違和感がすごかった事です。母国で演技力はすごい方なんでしょうが、語学力の壁は演技力でカバーできませんからね…。
(俳優の演技は結局、技術力)

国名は言わずに帰国子女との説明があったのですが、帰国子女は通常は真剣佑、河北麻友子、忽那汐里さんらのようなネイティブレベルの日本語の発音ができる方を指すと想像しますが、この方はカタコト過ぎて日本の刑事とはとても思えませんでした。もし日本→アメリカの帰国子女で韓国訛りの設定ならより驚きです。

日本の刑事は日本国籍がないとなれないので、ましてや捜査一課という厳しい世界じゃこの語学力でコミュニケーションとるの無理でしょと思わずにいられません。

はじめセリフを話してなかった時は「おっ味がありそうな女優さんだな」と期待したのですが…。人に聞くと、普段はのだめやラブコメに出るような方でシリアス物に出るような人ではないそうです。新たな分野への挑戦なんでしょうが、あまりにもハードルが高過ぎる配役…。
インターポールとか、韓国からきた刑事って設定じゃダメだったのかな?

凄く頑張って日本語を話しているのは分かったので、尚更この女優さんが可哀想でした。(韓国人が発音すると「つ」は「ちゅ」になりがちだがちゃんと発音できていた)

事務所かお偉いさんがねじ込んだのか知らないけど、この配役だけは完全なミスキャスト&おかしい設定でした。
太良福

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