人生で一番好きなドラマが更新されたかも知れない。
倫理の教師が主人公で、生徒との対話を通して正解の無い問いに向き合う学園ドラマ。
毎回、30分とは思えない濃さ。悩みを抱える生徒を教師が助けていくという点では「ごくせん」みもあるのだが、教師を完璧な人物像として描くことは決してない。教師側の苦悩や無力感、嗚咽が見られる学園ドラマは初めてだった。「半年かけて何度も何度も倫理について語り掛けたのに、正しいことが何なのかを伝えてきたのに、一瞬の心揺さぶる激情には勝てない。私は彼らにとって、いらない存在なんですよ」という台詞が刺さった。
ハンナ・アーレントとメルロ・ポンティの回が印象的だった。
最終回を対話で終わらせるのは若干地味な気もしたが、それまでの7回で形成されたそれぞれのキャラクターの生身から出た言葉のように感じられ何度も頷いてしまった。高柳の告白の断り方だけが解せない。「独りぼっち同士、隣に居ようよ」というみずきの思いを受け止めて欲しかった。
NHKが真の教育の意味を考え始めた感じがして好感が持てた。
