ハーコート

サンクチュアリ -聖域-のハーコートのレビュー・感想・評価

サンクチュアリ -聖域-(2023年製作のドラマ)
5.0
数少ない──ホントに、本当に数少ない、海外にも誇れるクオリティのドラマ。

キラキラ人気俳優先行のPRドラマじゃなく、物語を優先してちゃんと役に適したキャストを揃えてる。
有力事務所だの局だの、創作への情熱がない連中からさんざん横槍が入る地上波では絶ッ対ありえないこと。人気俳優使えば数字取れる、の馬鹿の一つ覚えだからあいつら。
この水準の作品だと、おしゃぶりジジイのペット共なんて端役にも入れない。

ビジュアルの説得力の重要性も、この作品はよくわかってる。本当に凄まじい。真に迫る。元力士もいるとはいえ、そうじゃない人も本物にしか見えない。
顔の皮がいいだけのヒョロガリが、澄まし顔で相手も見ず、筋肉の体積上ありえない攻撃を繰り返す既存のダサアクションとは大違い。

そして単純に熱い。
不真面目に真面目なスポ根。
角界という閉鎖的でおっかなびっくりな世界がカタルシスを倍増させる。日本人の琴線に触れる部分も多い。

こういう作品がエンタメ界にパラダイムシフトを起こしてくれることを願ってる。表通りを闊歩してるハリボテ共を土俵から押し出してもらいたい。
日本のエンタメ界は、幼稚で、不自然で、うすら寒いもので溢れかえってる。まさにお遊戯会と同じ。手拍子するだけで適正な批判もない。競争も自浄作用もない。観客も観客としてのプライドがないから上質なものを求めない。内輪で讃えあってマス掻いてるだけ。数十年なんの進化もない。

結果、創作の歴史の浅い韓国にもとてつもない水を開けられ、日本のエンタメ映画やドラマなんて世界の誰も注目しなくなった。そりゃそうだ、韓国の方が努力して面白いもん作ってるもん。

でも、媒体が増えたことで希望も見えてきた。構造が悪いだけで、こういう作品を創れる人は残ってる。日本人の創造性は失われてない。既得権益に塗れた業界の影響を受けにくいジャパニメーションの大成功がその証拠。
もう有能な人みんな、Netflixとかアマプラに流れちゃえ。野暮な横槍入れないし、資金も出して、責任も取ってくれるからさ。
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