吉田

母性の吉田のレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
3.6
高畑淳子の妖怪かのような怪演、戸田恵梨香のずっと死んでるみたいな細々とした様子、永野芽郁の普通っぽい子に見え隠れする狂気

物語の構成の仕方、演技、空気感は素晴らしかった
完全に食われてしまい帰宅はお通夜モード
ほぼホラー映画の気分で見てた
メタ的な場面も伏線らしきものも視覚的な効果も多く散見されて見応えがある
あとタイトルロゴの出し方タイプです

ただなんだろう、期待してた割にはどっと来ないイメージ
偉そうなことを言うようだが、もうひとひねりあったら嬉しかった
あと1番の問題点は主題歌が合わなすぎる
jujuさんは微塵も悪くないが、曲調もあって、まるで解決したかのように感動ムードを出されると拍子抜けして一気に冷めてしまった
歪みとして残ったことこそがこの作品の最大のフィナーレであると思ってるのであまりにも受け入れ難い
別に母娘間のしがらみを解くのがゴールってわけでもなくて、一体どうやってその歪みができたのか、その歪みとどう生きるのか、明るみになった時人々はどう反応するのか、を見る作品だと感じたけどなあ
どうせならベタだけど「バンッ」って音で終わってそっから壮大で優雅なクラシックが流れた方が腑に落ちる
吉田

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