エマ

母性のエマのレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
3.9
母というコンセプトに、教会というモチーフを使用するの良すぎた。

「母に褒められるために何かをする」というのは、いわゆる善行を揶揄している。
神という概念の発明によって、「良き行いをすれば許される」という、トレードオフが生まれた。結果、人は無償で善行を行えなくなったという見解を持つ学者もいる。
本作では祖母は孫に対して無償の愛を与えているが、祖母からの愛を得るために母は娘を縛っている。

子供が生まれるまでに、一切生々しい性的描写が無いのは聖書(??)を意識してる?
娘が母に謝ったり、母が懺悔をしていたりと何かと謝罪を強調しているのも気になった。


人それぞれに真実がある描写は、白ゆき姫殺人事件などでも見られる湊かなえ作品の醍醐味だが、今作でもだいぶ過激に表現されている(そんな齟齬ある?みたいな)。
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