誰かの娘であることを選び続けるのか
それとも
誰かの母親になることを決意するのか
ルミ子とルミ子の母は
それはそれはとても仲睦まじく
お互いが親友のような存在であった。
だけど違和感を感じたのは
母と意見が違った時に、そんなことはあってはいけないと母の感性にルミ子が合わせていくところ。
好きでもない絵を素敵だと褒め
それきっかけで田所のことを気になり始めたというのは
あくまでも"母"のためだったのではないかと思う。
だから、田所と結婚をするときも
母の意見をまず優先し
あなたならきっと太陽のように、あの人のことを照らしてあげることができる、
その言葉を信じ結婚をしたのではないだろうか。
どうしてルミ子は、
そこまで母に依存するのか
そこを知れたら、この話に少しでも共感する場面があっただろうか。
この作品は誰しもが子供を迎えたとき
母性が備わるものなか、という
湊かなえさんの問いから生まれた作品だと、インタビュー記事で読んだ。
わたしの中で母性とは
自分の命を替えてでも守りたいもの
愛おしくてたまらないもの
そんな風に捉えていたけれど
それは親心でもあるだろし
ペットを飼っていれば、対象は子供だけにとどまらず、生物全体、もしくは"推し"への気持ちもそれに近いものがあるのではないだろうか。
それらをなぜ"母"のつく単語で表現されているのか、ここにすごく女性特有の気持ち、
女性が持っていなければならない感情、みたいな、閉じられた空間のように感じて、少しばかり息苦しさを覚えるようになった。
予告動画が印象的だった分
作品を見て全然違う?切り取り方されてたんだ、、って思ったのも事実なので
いろんな人のレビューを見てそういう捉え方もあるのかーとこの作品への理解を広げようと思います。
何気に湊かなえさん作品
初鑑賞でした!