大橋直樹

赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。の大橋直樹のレビュー・感想・評価

1.4
当たり屋で申し訳ないんですけどこれはちょっと褒める所がないです
まず脚本がミステリーとしてあまり良くないと思います
犯人に叙情酌量の余地ありすぎてこれをもってしてハッピーエンドでーすは流石に観客乗り切れませんしそうであるならば犯人の人格自体実はすごく悪い人でしたー被害者と強力して美しい女を潰してた嫉妬深い女でしたーならこの流れでも成立しうると思うのでそのワンアイデアが欲しかったです
ミステリーという事でそのメインのシチュエーションは会話劇になる訳ですがその撮り方、演出も世界に胸を張れる出来とは言えないと思います
まず引きのショットが良くありません
ディズニープリンセスの世界ですからこの世界の夢のある雰囲気を引きで作らねばなりませんが印象に残るショットがないです
寄りもかなり淡白なカットバックで低予算映画やドラマでももうちょっと凝っていると思います
ディティールとしては福田監督の代表作であるヨシヒコと同じパロディコメディなので序盤はそうなっていったら嬉しいなという期待感がありましたがシナリオ自体に余白がなくそこに福田監督のエッセンスをぶちこんでいくのでボケツッコミにずっと興醒めしてしまう食い合わせの悪さを感じました
有名俳優にしか愛着を持っていない撮り方なので犯人はこの中にいる!となっても名前知ってる俳優のウチの誰かだよねーと思ってしまう
5人に絞った時くらいはそれぞれのセリフで寄ってあげてほしい、せっかく演技してるのに
撮影監督、監督、脚本がそれぞれ潰し合ってしまっている印象を受けました
美術も非常に安っぽく見えました
素材感がないと感じたのかな?
世界観を強めるためには映像の色味の調整などが重要だと思うのですが、今回たぶん全く触ってない?
これどういった意図なのでしょうか?
絶対にホワイト多めにして色彩豊かにした方が良いと思うんですが

俳優さんに関して
正直、橋本環奈さんに今回の赤ずきんの役は難しいと思います
長セリフを惹きつけるほど間の取り方が上手くないし、平常と探偵の切り替えもできておらず生きている感じが全くない
キャラクターとして魅力を感じません
目をかっぴらいたら笑ってくれるのって何歳の人なの?
コメディなんて1番難しいジャンルをこの演技力の方に背負わせる人達が悪い
新木さんは持ち前の佇まい、演技で出す弱々しさがキャラとマッチしていて素敵でした
だからこそ顛末が許せなさすぎるのですが
岩田さんもまた少し評価は難しいです
一年思い続けた人と再会した表情はそれで正解なのか?
俳優が本職じゃない人で上手い人を沢山観たからなんとも…
福田組にも演技に遊び心が無さすぎて全くマッチしていないです
桐谷さんのラストのセリフ完全に痰が絡んでるのにOKにしちゃってるのは何故なんだろう?
誤魔化す演技すらしてないしどういう事?
1番腹が立った
桐谷さんを辱めたいのだろうか?
夏菜さんと真矢さんのキャスティングは完璧なんだけどなんで終盤以降出さないんだろう?
脚本に無かったとしても撮りゃあ面白い事してくれそうじゃん
福田監督ってそういう委ね方して跳ねた人じゃないですか
Netflixから予算もらって作る作品がこれなのかぁと思ってしまいます
どういった発注があったのかは分かりませんがプロデューサーがどういった層に向けてどんな勝算があって企画を始めたのかすごく気になります

でもこの件に関して1番悪いのはこれ観て笑って終わる人ですよ
大橋直樹

大橋直樹