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ハケンアニメ!のFのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.5
“刺され、誰かの胸に”

もうぶっ刺されてきた。ちょっと素晴らしすぎる、めちゃめちゃ良かった。上半期ベストくらい好き。

音楽しかり、映画しかり、小説しかり、日頃からコンテンツを浴びまくってフィクションに救われてる人生なので、ぶっ刺さりすぎたし、この高揚感というか、感情が揺さぶられる感覚は本当にいい映画を観られた証拠。いいものを作ろうと、机にかじりついて、魂削ってやる感じがもう良すぎたし、確かな想いと、夢を持って何かにアツくなってる姿は本当にかっこよかった。何かに懸けて全力で取り組むって本当に素晴らしいなって思う、その何かを見つけることも、実際にやる事も相当の覚悟と執着が必要だし、それは本当に難しい事だからこそなおそら。


登場人物みんないいキャラしてて強い。1つの目標に向かって全力でぶつかって頑張るあの感じ本当に最高で、全員が溢れるくらいの熱量で熱中して、最高の仕事をしようとする姿は観てて気持ちかった。アニメ製作だけじゃなくて、いろんな現場でこういうアツい想いがあるんだろうなって想像させられる。0から1を作り出す人の苦労も、その1を最高のものとして形にする人の苦労も、それを誰かに届ける人の苦労も全てかっけぇ。分かりやすく興奮するだったり、アツくなれるというより、静かなるアツさみたいの方が大きかったのも好き。人の心を動かす大作も、結局は小さい地味な作業の繰り返しなんだと思う。途中のシーン、目頭が熱くなったというか、なんならちょっと泣けてきて自分でもびっくり。


何もないところから何かを生み出せる人はまさに天才だと思うけど、そこに至るまで何度も失敗して、葛藤して、努力してってのをやってるし、そこで自分の信じるものを貫く姿は本当にカッコいい、リーガルハイ2期の伊東四朗の回を思い出す。夢を持ったけど諦めた多くの人の屍の上に一部の天才が君臨してるんだろうし、その人たちもギリギリのとこで闘ってんだと思う。その天才が「描くことの壁は描くことでしか越えられない。それがどんなに嫌で、どんなに地味なことでも」みたいな事言っちゃうともう… 自分を信じ抜いて一切妥協しない姿勢は本当にカッコいい。最終的に完成品として呑気に享受してるあの作品も、誰かの地肉が削られた作品だし、だからこそそんな全力の想いが乗った何かは、誰かの人生を変える力があると思う。



柄本佑いい人すぎて、かっこよすぎてニヤニヤした。ビジュもセリフも、表情も全部かっけぇ。最近出る役全部かっこいい、好き。吉岡里帆も今まで全然当たり作ないなって思ったけど、これはもうめちゃめちゃ良かった、ちょっとくたびれてる感じなのに、目はずっとギラギラしてる感本当に上手い。試写みたいなとこに向かうシーンの対比めちゃめちゃ良かったし、やっぱり声が好き。中村倫也さんは相変わらず中村倫也だったし、個人的日本で1番愛想笑いが上手い女優小野花梨さんも圧倒してた。役者陣、それぞれ個性があってキャラが立っててとても良かった。


こういうの見ちゃうと、働くことも悪くないって思うし、綺麗事だけじゃないかもしれないけど、本気になれる環境に身を置きたいと思える。
これからも、誰かの想いが乗った人生を変えるような映画や音楽を追い求めていきたいし、こういう作品はもっと売れて欲しい。とりあえず、これを観ておいて、エンドロール見ないで帰る人とは分かり合えないなって思った。


あまりにも良くて、感想とっ散らかったけど、とりあえずエクレア食べたい


「代打じゃなくて、最初から4番です」
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