竹野康治郎

ハケンアニメ!の竹野康治郎のレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.1
テレビアニメの制作から最終話までの道のりを新進気鋭の有名監督と新人監督がまさに魂を込めて、世の中と戦っていくお話です。テンポ、ストーリー展開、演出やカット割など本当に良くできています。映像関係の人にはめちゃくちゃ刺さるし、お仕事ムービーとしても大満足です。

新進気鋭の有名監督と新人監督の対立構造から始まる、この手のお話は視聴率や人気、グッズなどを含めて優劣で判断されます。それは現代において、間違ったものではありません。ただ、そこにそれだけではない感情をしっかりと上乗せして、「世の中に知ってもらうこと、伝えたいこと、自分が描きたいこと」が一貫しているんだと思います。だからこそ、この戦いにのめり込めるだと。個人的なお話ではありますが、シネマンションというYouTubeチャンネルも同じで、どのように知ってもらって、どのようにファンになってもらえるか、そして、それがどのように広まっていくのかを考えます。そう言った部分も重なって、非常に面白かったです。

また、数値や説明の表現や比喩の仕方が秀逸で、説明とエンタメがしっかりと融合しているからこそ、先が読めつつも、見せ方によって鑑賞側のテンションを一切落とさずに走り切れているなと思いました。

最後に、俳優陣も主要キャスト以外にも要所要所での癖のあるキャラクターが存分に活躍します。それがいいスパイスにもなっていて主要人物が輝き、、なんか気づけばチーム感が出る味になっています。テレビ局の人間だけは毎回ポンコツ扱いされますが・・・笑

お仕事されている方は騙されたと思って、一度ご覧になってほしい作品です。

2022年公開作品 29作目
竹野康治郎

竹野康治郎