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ハケンアニメ!のmのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
4.9
作ることに限らず仕事に大切なものが詰まってた、と思う。

新人抜擢の右も左も分からない時の苦悩、周りから認められない辛さ、周りを動かすことの難しさ。天才は天才の苦悩、プレッシャー。

ブラック云々などと言わせない、突き動かしてムードを作る熱量こそがすべて。自己満だろうとなんだろうとやってよかったなぁと思えることをしたい。

ひとつひとつのセリフがよかった。

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存在しないゼロのものを作り出さなきゃいけないプレッシャーわかる?
簡単にやってるように見えてんだろうけど簡単にやってると思われてることがもうプレッシャー、ストレスなの。
脚本や絵コンテなんて地道に机に向かうことでしか進まないんだよ。
どんなに嫌でも飽きても派手さがなくてもずっと座って紙やパソコンに向かうことしかできない。
描くことの壁は描くことでしか越えられないんだ。気分転換なんて死んでもできない。
ひたすらかじりつくようにやるしかないんだよ。
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本当にアニメはすごいですよね。オタクや一部のファンのものではなく、普通の人の一般的なものへと変化しつつあります。
さらに一億総オタク化という言葉すら生まれていますが監督はいかがお考えでしょうか。

なんすかそれ。本当にそんな言葉あるんですか。随分上からな言葉ですね。ね?
あのさぁ世の中に普通の人なんていないっすよ。あと必要としてくれるんだったら俺の作品は一部のファンのものでもオタクのものでも別にいいと思いますよ。もう放送されたら俺のものじゃないんで。観てくれたその人だけのものでいいっすよ。
リア充どもが現実にデートだセックスだって励んでる横でおれは一生童貞だったらどうしようって不安で夜も眠れない中、数々のアニメキャラでオナニーして青春時代過ごしてきたんですよ。だけど草薙素子とかベルダンディーを知ってる"一般的じゃない"俺の人生を不幸だなんて誰にも言わせない。
暗くも不幸せでもなく、ましてや現実逃避するでもなく、この現実を生き抜くための力の一部として俺の作品を必要としてくれるんだったら俺その人のことが自分の兄弟みたいに愛おしい。なぜなら俺もそうだったから。
だから総オタク化した一億の普通の人々なんて抽象的な表現じゃなくてそういう人のために仕事ができんなら俺は幸せです。
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22/150
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