Mackeyホンダ

マザー/アンドロイドのMackeyホンダのレビュー・感想・評価

マザー/アンドロイド(2021年製作の映画)
3.5
若くして大変なキャリアを持ちながら「主演映画に恵まれない」で有名なクロエ・グレース・モレッツ主演作だが、そんなリスクは承知で観た。案の定Filmarks評価も良くなかったけれど、別に構いはしない。観る、というよりは「クロエを見る」んだから。再生!

で、感想だけど、「面白かったか」とストレートに聞かれれば、「うんまあ、個人的には面白かったよ」と、予防線の「個人的に」をつけて応える感じ。みんなが気に入るかは自信がない。でも実際、好きなタイプのストーリー展開だった。個人的に。

これまでクロエ主演ってだけで「フィフス・ウェイブ」とか「クリミナル・タウン」とか「ダーク・プレイス」とか「シャドウ・イン・クラウド」とか観てきたけど(すべて評判イマイチ)、その中では一番興味を持ち続けられた。

内容は、「突如アンドロイドが反乱してディストピア化した世界で逃げ惑う人類が……」とかなんとか説明するのはかったるいのでハッキリ言っちゃうと、ゾンビをアンドロイドに置き換えた「ゾンビ映画のアンドロイド版」。

主人公のクロエとその彼氏が、襲い来るアンドロイドどもから逃れながら、恐怖だったり孤独だったり、他の生き残った人々との人間模様だったりを描いた「何とかーキングデッド」のミニ版って感じだった。

主人公が「臨月を迎えた妊婦」という設定が割と効いていて、より絶望感が際立っていたと思う。身重な体は逃げるのが大変だし、転ぶだけでヒヤヒヤしちゃう。途中「生まずに逃げるか」「生んでから逃げるか」という選択を迫られる場面があるんだが、そんな二択、見たことも聞いたこともない。「なるほどな、確かにこの状況ならそうなるよな」と感心した。

あのどんでん返しもよかったね。途中、主人公を助けてくれた人物が言っていたように、本当に「信じられないような方法で」まんまと騙された。そのことに気づくシーンが、ちょっと「ユージュアル・サスペクツ」(ミニ版)っぽくてゾクッとなった。

全体的に「ゾンビもの」の亜種として楽しめたが、最後のお涙頂戴シーンだけは正直余計だと思った。個人的に。
Mackeyホンダ

Mackeyホンダ