ピーター

RRRのピーターのレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
3.8
マセガキの頃、誰かの犠牲で豊かな生活を送れているのに、その誰かのことを気にしないでヘラヘラ笑って呑気に好きなことをやって生きるような人生をもし自分が送るなら、”呑気な幸せ”を自分から壊して、命がけで生きたいと思っていた。だから日本みたいな国で金にも親にも不自由ない環境に生まれるより、発展途上国で命がけで、子供の頃から労働してた方が自分には合っていたのにと思っていた。とにかく、12才〜17才の頃は個人の幸せよりも全体とか社会の幸せのために生きるべき、そのためには個人の幸せや個性や感情は消してしまって構わない。そんなものに大した価値はないのだからって考えてた。

それで実際にそういう生き方を子供の頃していたけど、当時はとにかく感情的に個人の幸せとか、個性というものを憎んで暴れてるだけだったからしょうもなかった。結局自分の中の欠損を社会とか全体で埋めようとしてるだけだった。というのはある意味で個人の利益を追求するのと同じかも。

こうやって本場のインドの作品を見るたびに子供の頃の私が無知だったことがわかる。彼らは自分を失くすために命がけなんでなく、自分の幸せや大切なものを守るために命がけだったんだなとわかる。

少なくても今の自分には守りたいものや大切にしたい個人の幸せがあるから子供の時よりは強いと思う。そんなものを見つけられてよかった。そして自分の軸を持った上で”呑気な幸せ”というものを追求していこう。
あのマセガキもそんな私を見て微笑んでくれると思う。
ピーター

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