フォアグラの作り方をご存知か？
アヒルやガチョウに無理やり餌を食わせ肝臓を肥大化させて作るエグい食べ物だ。
この映画は3時間という長尺でエネルギーを直接我々の体にぶち込み俺らの膀胱にアドレナリンで満たされたフォアグラ生成を強要する。これを観た週は食事1回でいい。
楽しすぎる。面白いじゃなくて楽しい。
観るレッドブル、いや、マリファナかもしれない。この感覚は怒りのデスロードを観た時のあれに近い。
リアリティ？慣性の法則？そんなことよりﾅｰﾄｩをご存知か？
ハイになればそれでいいのだ。
楽しすぎて痛みだす頬。
常に全身の筋肉が強ばる感覚。
固く握られた手には汗。
ドルビーの爆音で鳴り続ける太鼓のビートで不整脈。
アドレナリンの過剰分泌で血圧が上がり、頭痛もしてきた。
シアター内の気温が上がる。
いよいよクライマックスと思うとまさかのinterrrval。
どのシーンが良かったとかそういう次元の話ではない。180分間ほぼ常に普通の映画ならクライマックスレベルの盛り上がりがある。
観たあとは明らかにIQが下がり凄かった……としか言えなくなる。駅に迫る電車にも勝てそうな気がしてくる。
腕を故障した程度で筋トレをサボっていた自分が情けない。男なら鎖に繋がれて週一の飯でも懸垂をするのだ！マウント害悪ニキをダンスバトルで黙らせろ！虎を投げろ！兄貴を救え！迫るバイクの慣性を片足で0にしろ！
なんだか俺にもできる気がしてくる。そんな謎のスゴ味と説得力のある映画。
これは劇薬。多分夏に観たら血圧上がりまくって死ぬ。
追記:
ブリティッシュエンパイアの描写が普通にリアリティ高くてかっこいい。貴族の英語も個人的な性癖に刺さった。
