シカサン

百花のシカサンのレビュー・感想・評価

百花(2022年製作の映画)
3.8

これほど痛みと愛を同じ質量でずっしりと残してくる映画は久しぶりです

生きてたらいろんなことがあるわけで
思い出や記憶は自分が思ってる以上に都合よく書き換えてしまっているものみたいです
人は絶対を信じてしまう曖昧な生き物だなあとしみじみ

記憶がこぼれおちていく母と関わることで、忘れていた記憶を掬いとっていく息子
記憶と忘却、愛と苦悩が頭の中でせわしなく、ぐるぐるして、宇宙ができてしまうとこでした

彼はこころの奥底にしまいこんでいた記憶に苦しんだけど最後、「半分の花火がみたい」の謎が解けたとき残るのは、忘れてしまっても消えることの無い深い愛だったのですね
シカサン

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