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ザ・ディープ・ハウスのデコのレビュー・感想・評価

ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)
4.0

4大フレンチホラーの一角を担う「屋敷女」を監督したジュリアン・モーリー&アレクサンドル・バスティロの新作the deep houseを(恐ろしくかなり前に)観た。
という話。
ちょうど配信にも来たかな?って。ね!

自分用の記録として書き残しておくが、今作の上映館はかなり少なかった。
幸いな事にわが町京都では無事公開となったわけだが、まさかの公開初日から朝イチとレイトのみという扱い。
ええ。ええ。
そうでしょうとも。
家族づれで賑わうイオンだもの。
こんな(失礼)映画は人が来ない時間にひっそりと公開するのが吉なんだろうね。
とグチグチと腐りながらも「水中での屋敷探索ホラーは画面がメチャクチャ暗いに違いない!」と普段なら朝イチの映画館鑑賞はスッパリと諦めるタイプの人間だが、なんとか早起きをかましたわけだ。

イオンシネマの朝イチとなるとイオン自体は営業時間外で開いておらず、駐車場の端っこにあるエレベーターからしか入場できないとのこと。
hpを見て事前確認していたものの、方向音痴の私は場所がわからず時間に余裕がなく焦り警備員に映画館まで引率してもらう事になった。わたしは小学生か。
我ながら情けない。

桂川イオンの警備員さん、その節は大変お世話になりました(こんなところで書いても意味ない)

さて目的のザディープハウスの客入りは8人。
まあそんなもんだよね。

あらすじは非常に単純。
廃墟探索カップルyoutuberが再生数稼ぎのために有名ではないスポット探し中、ある湖底に沈んだ屋敷の話を聞く。
二人は意気込んでその湖にダイビング。するとその屋敷は門が鎖で縛られ、窓という窓を板で打ち付けられていたのだったが…
というお話。
ランタイムは85分。
口を酸っぱくして言っているが90分弱で終わる映画はそれだけで素晴らしい。

物語は基本ずっと水中で物語は進行する。
いわゆるいわくありな物件探索ものなのだが、その物件というのが湖底にあるというのが新しいよね。
もちろん湖底なので水中。移動する時にはフワフワと泳いでいく。
階段ももちろん登るのではなく、ふわ〜と泳いでいくわけだ。こう書くと当たり前のように思うが、画としてはなかなか不思議な光景で面白かった。家の中が何階にいるかわからない感じね。宇宙空間と似てるのかも。

呪いが発動し屋敷に閉じ込められると逆さにされた十字架、固く閉ざされた扉の向こうには鎖に縛られたゆらめく腐乱した水死体…
ああ、ビジュアルが素晴らしいね、
ってあれ?え??水死体…
腐ってない??
腐ってなくない?おかしくない〜?!(おかしいのはお前のテンション)とパニックになること必須。
あーたのしい。こういうのたのしいね。

まあこんな内容を2時間ガッツリやられたらイラつき(私はすぐイラつくタイプ)もするかもしれないが、いかんせん85分と短いし、ホラーっはアイデア勝負でもあると思ってるので。
見たことないものを見せてくれる、それだけでもう価値あると思います。

屋敷女を撮った2人の監督がいつまでも「屋敷女」と比べられるのは不幸でもあるが、それだけあの作品がエクストリームだったということであると言えるわけで(実際2人は今ならあれは撮れない、とインタビューで答えていたりする)
実際ジュリアンモーリーとアレクサンドルバスティロは屋敷女の後もいろいろ撮っており、彼らの作品をそれなりに追いかけてはいるが屋敷女のあと傑作!と呼べるような作品には至っていない、と思うのよね(何様発言)

しかしこれからも屋敷女の名に負けず、どんどんホラー映画の新しい地平を探していってほしい。追いかけていきます!
頑張って!!あなたたちには何か光るものがあるから!

ととんでもなく上からのファン目線で話を締める感想。
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