ダイビングを趣味とする自分としては、スキューバダイビングで湖の底に沈む家を探索するがそこは幽霊屋敷だった、というアイデアはなんとも魅力的。海中に沈む人工物は、海という大自然に晒されてなんとも言えない美しい自然物となる。ダイバーにとってはそれはとても魅力があるポイントで、よくあるものとしては沈船であろう。沈船にも船内などの閉鎖空間への扉や入り口があるが、暗い船内で迷ったり突起物などによる拘束があるので基本的には入らない。本作は海ではなくて湖ということで腐食レベルが低いということはあるが、普段はそんな冒険をしないダイバーにとってはとても興味深い物語だ。
怪しげなガイドや主人公二人の関係性など、湖に潜る前のストーリーも楽しい。そして水中に佇む屋敷の姿、水の中に沈む部屋への潜行は、恐怖や不気味さが惜しいとしても新鮮。水深30m超で60分も潜行していることについてはダイバーとしては首をかしげるところだが、十分に楽しかった。
まあそれにしても撮影は大変だったろうな～。おそらくは深いプールにセットを組んだんだろうけど、この企画に予算が出ること自体奇跡な気がする。邦画では絶対に出ない予算だろう。
