MasterYu

バッドガイズのMasterYuのレビュー・感想・評価

バッドガイズ(2022年製作の映画)
3.3
その容姿から誰もが避けて通る怪盗集団「バッドガイズ」。
銀行からお金を盗み、意気揚々とアジトに戻った彼らの目に飛び込んできたのは、TVニュースにおける知事の挑発的コメントだった。
怒ったミスター・ウルフは、これまで様々な犯罪集団が失敗した「黄金のイルカ」像を盗んで知事の鼻を明かそうと試みるが・・・。

とても安定したレベルの作品という印象。
人間の世界に、狼、ヘビ、鮫、ピラニア、クモという容姿のバッドガイズが普通に存在する設定は、人種的に差別されている人を動物に置き換えて表現しているわけで、固定観念や先入観はよろしくないという、物語が掲げたメッセージを柔らかく届ける要素になっていると思います。
黒人、アジアン、メキシカンとか、そのまま出すと子供向けにしてはギスギスしてしまいそうですしね。
「ズートピア」でもキツネは悪役という先入観が取り上げられていましたが、そういう部分では本作のアプローチも「ズートピア」に似ているかもしれませんね。

全体的な展開はオーソドックスで驚きはないものの、スピード感あるカット割やカメラワークは楽しいし、素直にメッセージ性を受け止められる作品だったように思われます。

ミスター・ウルフ役のサム・ロックウェルはやはり巧い。
ミスター・スネーク役のマーク・マロンは「スペンサー ダイアナの決意」、ミスター・シャーク役のクレイグ・ロビンソンは「ソングバード」に出ていて、ちょうど近々で劇場で観た作品との繋がりが私的には面白かった偶然。
「イン・ザ・ハイツ」のアンソニー・ラモスはミスター・ピラニア役の豪快なキャラが楽しかったし、声を聴けばすぐ分かるオークワフィナも流石の安定感でした。
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