TERU

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのTERUのレビュー・感想・評価

4.7
極めて奇天烈な話をよくもまぁ極上のエンタメに昇華させたものだなと

退屈なカットは全く無く、1秒1秒先が気になって仕方がない稀有な作品

涙こそ流さなかったものの、えも言われぬ感動が体を駆け巡っていた
テーマ、メッセージとされる物も一つでは無く、人生、愛、家族、夫婦、親子、男、女など、観る人によって幾つも解釈されるだろう

これを楽しめない人達は作品との関わり方、人間や社会の知識と経験が浅いと言うか、少し可哀想とさえ感じる
公式サイトの監督たちのメッセージも一読してもらいたい
様々な物に対する解像度が高ければ高いほど、この映画をより楽しめるのではないだろうか

中国人の話ではあるが、出演者は皆英語圏の人間
冒頭とエンドロールを見る限り、下手に中国資本が注入されておらず、今作のキャスティングが成し得たのも、プロデューサーのルッソ兄弟の真摯な姿勢のお陰とも見える

香港や台湾が「中国」とは一線を画す国だと知っているだけでも作品との向き合い方が変わってくるだろう

SNSでの活動していたアンディーリー、ブライアンリーの2人が、シャンチーに続いて目立った役で活躍している成り上がりっぷりにも感動を覚える
この映画のテーマにも相応しい2人だ

批判的な意見は全無視し、ぜひ大きなスクリーンで楽しんでもらいたい
TERU

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