アベ二ティKazumaAbe

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのアベ二ティKazumaAbeのレビュー・感想・評価

4.8
すべての人生と個人を肯定する本筋が優しい。主要キャラクターと周囲の関係性についてみればオチまで大体想像できてしまいそうな作品ながら、ラストに至るまであの手この手で観客を驚かせよう・揺さぶろうと迫る演出の数々がすごく良いなあと思いました。ビジュアルに大きく支えられた一作で、デザインセンスもポップで可愛い。石ワールドがいいなぁ。

中盤のカンフーで若干中弛みを感じるところはある(アジア人中年女性の活躍を見せたい!!という気概は伝わる)んだけど、そこまで気にならない長さで。技斗を感じる殺陣からのおバカヒーリングアクションが大好き。

一つ気になる点も。主人公が元の人格を備えたまま家族との関係を修復していく様は美しく描けている〜とは思うんだけど、娘を傷つけてしまった自負があるのであれば、一言しっかり謝るシチュエーションを用意して欲しかったなあ…と思った。

強いてもう一つ言えば、「突発的に変なことをする」のが別のパラレルワールドと接続するトリガーになる!というのはクレしん映画みたいで楽しかったけど、変なことの内容が結構普通だったなと。