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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのOのレビュー・感想・評価

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予告編見た時は「大丈夫かこれ?」てなってたけど、見て良かった

ジョイのルーツが割と自分と似通ってたのもあって、マジで急に私のアイデンティティに関わる部分を刺してきてビビった 恋人の話とか家庭内の感じとかは本当にリアル 色々自分の人生の記憶がフラッシュバックしてやばかった

「主演をアジア系で固めてるのはどうなん」みたいなのをチラッと見かけたけど、正直これってアジア系というか、儒教じゃないとできないことじゃないかなと私は感じた 劇中で色々と提示されるエブリンの価値観はかなりそこから来てると思うよ もちろん全員が全員そんな感じでは無いけどね

一貫して愛の話だし、今の人生を肯定する話なのが良いね あの時ああしてれば、というもしもは無限にあるし、それで今よりもずっと良い生活をしていたかもしれないけど、それでも今までの自分が歩んできた道を肯定してそこから更に歩いていこう、という極めて優しい映画だった
ラスボスも殺したいとかじゃなくてただ「教えてもらいたかった」ってのが良かったな

個人的に岩パートと、謎のカンフーの達人がめちゃ好き

・いろいろと思い起こして追記
エブリンが頑なにジョイに向き合わず、最後ら辺も「私はあなたの母親だ!!!!」で押し通すの、「あ〜....」てなった。あくまで個人の感覚だけど、やっぱり親子の力関係って凄い強い(親が年老いた後は子供が面倒を見なければならない、子は親を敬わなければならない、親に口答えしてはならないって教育を受けた当事者なので...)から、そこまでは少しもやっとしてた。その後のジョイの「just leave me alone」は本当に言いたくても言えないままずっと抱え込んでいた物をようやく口にしたセリフだし、それを受けてエブリンは「私があなたと一緒にいたい」と伝えるのは、母だから、娘だからではなく1人の人間として向き合ったと捉えられるのかなと感じたよ。岩パートが1番穏やかな語らいの時間で、2人とも凄い良い感じに見えたのはやっぱりそういうしがらみが無い(まぁ岩だから)からこそなのかね。
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