いたみ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのいたみのレビュー・感想・評価

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ようやっと見て、なるほどなーと思った。機を逃したのでグアっと好きになることはできなかったんだろうけど、評価は納得。
1番グッときたのは、「少しだけ変なことをすると、人生の分岐が変わる」というシステム。濱口竜介が発見した(と、私は解釈している)、映画/あるいは人生→「偶然」と「想像」という構造、がある。出会いや事故、ささいな出来事という「偶然」がまずあり、そこから人は「想像」し行動したりしなかったりする、その想像を描くのが映画で、想像して行動するのが、人生。
変なこと、常軌を逸した行動、というのがその後「偶然」に繋がり、人が何か変化するときは必ずこれがある。告白したり、別れをつげたり、決意したり、引っ越したり。全てはレールから少しズレたところにある「変な行動」であり、その結果として「偶然」会ったことのない人に出会ったり、みたこともない景色を見る。
母親が娘を縛る、コントロールすることへの否定が結果なされないままだった点など、もちろんひっかかる点はたくさんあったけれど、総じて見て良かった、という作品。
いたみ

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