れいゆ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのれいゆのレビュー・感想・評価

3.5
これがアメリカで評価されているということが嬉しい、そんな映画だった
アメリカ人では作り得ないような映画でアニミズム的感覚を覚える、いやどっちかっていうか儒教的なのか?修己治人の教えは結局あの家族を救ったはずだ
視聴後感は「中華メインのバイキング」を腹一杯食べたような感じ。

「エブリシング・エブリウェア・オールアットワンス」が原題のままだったのが素晴らしい、ただこの作品が映画である以上映画的な評価は下さなければならないと思う
映画における「at once」(瞬間)は「画面」であり、一つの画面が「all where」である以上「everything」は全て画面に収斂されるはずだ。前述したがこの作品が映画である以上映画的評価を素人が下すとすると、この作品の主題と絡めると必要なのは画面に対する評価になるかもしれない。空間軸を自由に行き来できる以上様々な表現を試すことが可能になっており、近代的なハリウッドの明るい画面からノワール的な画面、まさかの石の定点ショットから子供が描いたようなアニメーションまで2時間超しかない映画で多くの味を楽しめた。2時間という「everywhere」で大体のことをしてのけたのは傑作である所以なのだろう。
横軸があるから評価されたは間違いない(ストーリーライン自体は突飛なものではないが結構面白い)が、題名通りの主題を通すのであれば横軸を削り画面に残る情報量を増やすべきなのでは?と思ってしまう、それをしてしまうと大衆に評価されずに自分みたいな学生が視聴する機会に恵まれなかったのだろうが、、、
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