愛は並列

すずめの戸締まりの愛は並列のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.2
1回目メモ:

志磨遼平いうところの「誰が私を待っていると言いながら誰かを待ってました」その待ち人を追い、待ち人に追われる旅、スピーディーなタイムマシンは東北に向かう、2012年の冬、悲しみは吹雪の向こう

日本列島を東へと、東へと進むのに連動して、それは例えばアニメーションのモチーフを辿る、千と千尋、ポニョ、トトロ、それはすずめの旅のように過去の記憶、「星を追う子ども」で扱ったモチーフをなぞっていく、「ルージュの伝言」がかかり、歌謡曲の歴史を辿るように、幼い日の遠い記憶へと届く これを恥じることなくやる才能、逃げ出さず向き合うということ、えらすぎて感涙しそうになる

遠い未来の"わたし"からの手紙、過去のわたしたちへの手紙、それは絶望でも諦念でも妄想でもなくて(宮崎駿や細田守と大きく違うところだ)、それは愛であり、意志であり、祈りであり、願いであり、たまらない、「MOTHER」最終回での松雪泰子の手紙を想起する、大きな愛、未来は大丈夫だと叫べる愛を、意志を肯定したい
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