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すずめの戸締まりのllcheesellのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
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お話がシンプルで隙がない。もちろん設定はガバガバなんだけど別にSFじゃないし、本質じゃないからいいのだ。
女子高生やイケメンとの恋愛感情、気まぐれで掴みどころのない神様など、テンプレと共通認識をうまく構成に組み込むことで大筋をシンプルにしているところは素直にすごい。別に深く感情移入するほど思い入れがないはずのに、話に引き込まれるのはプロの技だと思った。脚本がたくさんいらっしゃったが話し合いながら組み立てて行ったのだろうか。

日本人の記憶に宿る共通の感情を呼び起こして、お話に組み込むのは正直ずるいと思うが、表現の仕方のバランスもとても良かったと思う。地震要素がなかったらここまで引き込まれないと思う。
これがいつまでも記憶に残る作品となるかどうかはわからないが、新海作品の中でも短期的な衝撃は大きかった。
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