・良かったところ
日本横断して、各地で人との出会いがあるロードムービー的なところが良かった。
CGも椅子やみみず、群衆とか良くできてて良かった。
山ほど上映回があったから、当日でも大スクリーンでまあまあいい席で観れた。
・残念だったところ
正直主人公2人に全く共感できなかった。
鈴芽が草太を助けたいのはまあ分かるが自分の身を捧げて捨て身でとなるとこまで2人の関係性構築できてたように全く思えなかった。旅先で出会った人との交流もあったぶん薄まってたのかもしれない。
セリフ回し、特に草太が過剰に説明口調なのがかなり気になった。
観客への物語の理解の助けとのバランスは本当に難しいと思うけど、必死な状況でいちいち状況説明してる感がノイズにすら聞こえた。
このあたり映画の限られた尺の中での人物の関係性構築や語りすぎずに語る上手さが新海監督の凄さな気がしてたので残念だった。
安定の背景の綺麗さやレイアウトやアクションの良さ猫たちのかわいさとかで最後までは観られたものの、肝心な物語や人物の心情に興味が持てなかった。
で、説明が多いわりに良く分からないというか、腑に落ちない話だった。
要石とは戸締まり家業とはみみずとは鈴芽は何者かなど色々ある。
良く分からない要素があること自体は別に良い。ただ、なんだか分からない運命をさらに別の良く分からない力業で解決した感が期待外れだった。(世界観設定を深く考察することで面白さがわかる的な考えもあるかもしれない。が、それは一度観て気になると思えることが前提だと思う。興味がわかないものをまた観たいと思えない)
前作前々作はそのあたり無力な人間の巨大な運命なり困難なりへのもがきやあがきが感じられのが好きだった。
キャラクターへの興味・共感やリアリティが物語への没入感につながり、楽しいと思う映画の体験につながる気がしているので、今回はことごとく自分には引っかからない作品だった。
あと前作、前々作と比べて作画が不安定な箇所が多く感じたのも気になった。
なんとなく人間くささを最も出してた気がする芹沢が1番好きだった。