大西

すずめの戸締まりの大西のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
1.0
明石海峡大橋の支柱や椅子の背もたれの逆パース、カーヴを曲がる車と遠景がどちらも動かない謎の視点、地震で落とすために石の上に置かれた不自然な砂利、坂道を登る自転車のギアの重さ、登校口やゴンドラの戸に力をかけるときの支点の無さ、バリケードの揺れ方の軽さなどの物理感覚の欠如(最近のアニメーターはものを触ったことがないのか?)、女喘ぎすぎ、男舌足らずすぎ、同じこと何回も言い過ぎ、閉じるんだろうなーと思ったら閉じる屋根、風に逆らってスカートの中を絶対に見せない新海誠の童貞性、数時間見たイケメンのために日本縦断して命を捨てる覚悟ができる鈴芽の精神病性、わざとらしい狂言回しか具体性のないお題目に終始する台詞の一つひとつにわたる全体的なリアリティの無さ・悪い意味でのアニメっぽさ、停電しても回り続ける観覧車、自然発生し得ないハッシュタグ、「震災はミミズのせいで、個人の気まぐれで防げたりする」という配慮に欠けた設定、前半で明らかに認められたダイジンの悪意を誤解に付す無理やりさ、要石の場所のどこでもよさ、核となる課題が鈴芽のアホさに始まる壮大なマッチポンプであることの与しにくさなど、分単位でしか筋が通っていないフワフワとしたご都合主義・フィクションとしての地盤の緩さ、商業発進で生まれたような物語としての中空性・骨の無さ・面白くなさが印象的だった。登場人物の誰にも入り込めず、泣きも笑いもできなかったが、鍵を持っただけの素人の「お返しします」という略式の呪文で有効判定入るシーンはガバガバで面白かった。
大西

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