ななこっこ

すずめの戸締まりのななこっこのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
4.0
素晴らしい映画だった。作画がこれまでの作品の中で最高に美しくて絵として楽しめる。
声優陣も若手の俳優が多いけど本当に本業俳優?と思うぐらい違和感なく観られた。
松村北斗の声が良すぎる。

最初観た時は作画から「天気の子」とか「君の名は。」に似てると思ったけど、扱ってるテーマは日本の神話や東日本大地震が中心なので、言の葉の庭とか秒速5センチメートル等、過去の作品に近いのかもしれない。

「いってらっしゃい」という声は聞けても、その先の「おかえりなさい」を聞くことが出来なかった人がたくさんいたように、言葉では言い表せない日本人特有の価値観をアニメとして表現したいという新海監督の強い意志が感じられた。裏のメッセージを読み取るのはなかなか難しいなと思ったけど。

個人的には鈴芽と環さんの関係性にすごく共感できるものがあった。20代後半からうちの子として引き取らなくてはならず、婚活もままならず、環さんにとっては心のどこかで邪魔で憎むべき存在となっていた鈴芽は、環さんの人生そのものだったのかなと思う。一方で鈴芽もその気持ちをありがたいながらもどこかで重いと感じていて、なんだかその葛藤が既視感があってしんどかった。
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