中尾

すずめの戸締まりの中尾のレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.8
感情が増幅され過ぎていて苦手。5秒に1回くらい泣くか叫ぶかしてる。

ただ新海誠が唯一無二なのは、個人を圧倒的に凌駕する不条理な世界の様相と、その巨大な物語に回収されまいと抵抗する名も無き個人の叫びを、使い古された既存のフォーマット(セカイ系等)を使って同時に描き出すことのできる点にあると思う。

社会を描かないのではなく、個人を描くことで同時に社会を描いている。そして見るものによってその姿を変える常世のように、個人の心象こそはセカイであり、そして世界でもある。
中尾

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